2013/10/14 まれーしあのおもいで

シンガポールからAir Asiaに乗って1時間半、ペナンに着いた。空港の税関の横に銀行の両替カウンターがあるが、こういうところは概してレートが悪いのでリンギット両替はパス。国際金融の時代、経済実態に即した現実的な選択といえる。

白タクのオッサンやら自称ポーターの大群を覚悟して到着ロビーに出ると、なにやら閑散としている。そして誰も声をかけてこない。悪徳タクシーやらボッタクリ客引きがいない。ここは南国じゃないのか?

ふと左を見るとタクシーの前払いカウンターがある。White Taxiと書いてあるが、そういう意味の白タクじゃない。

でもリンギットない。やや違法でもいいから、ボラれてもいいから、シンガポールドルでタクシー乗りたい。通貨の壁を打破してほしい。国際経済のグレーな部分に入り込みたい。

出発階に行ってATMを探しだし、なんとかリンギットを入手。Citibankは世界中のATMで現金引き出しできるのだ。ボーダレス化する世界の金融。といっても、いまいちリンギットを分かっていないので、ほぼ思考停止状態で600リンギットおろす。深い理由も浅い理由もなく、エイヤッと600というボタンを押したのだ。多分にまんえん的な。

思えばオロカなことだった。金融関係者のいうCPIベースの貨幣価値を知らなかったのだ。過剰なリンギット投資。旅行期間中は公共交通機関を使う慎ましい生活をしているので、なかなかリンギットが減らない。

しかも、リンギット使うぞと思って錫のマグカップを買いに行くも、現金は落とすのが不安で、大半はホテルにおいてきたのだった。結局、錫マグカップはクレジットカードで支払いを済ませた。金は使うがリンギットは減らないという、デフレスパイラルの様相を呈し始める。

リンギットを使い果たせないままマレーシア終了。日本円に換金することを自分自身に許さず、帰りに寄ったシンガポールでシンガポールドルに換えた。行きにもシンガポールで5時間の乗り継ぎ時間にマーライオンを見に行ったため、既に潤沢にシンガポールドルはある。そこに更にシンガポールドルの手元資金が増えた。金融関係者のいうハードランディングである。

金融政策の難しさが分かった。

2013/10/14 ぺなんのおもいで

毎年恒例のオッサン旅。旅に出るには目的地を決めなくてはいけない。が、なかなか条件に合う旅行先は無い。香港は飽き気味 (去年は四川料理の辛みで尻痛になり、同行オッサンは帰国翌日にノロウイルス感染が発覚)、インドネシアは怪しげ、ロシアは飛行機のスケジュール悪すぎ、ハワイは遠い。どこへ行けばいいんだ。

なんとなくネットを見ていたところ、マレーシアにペナンという街があった。イギリスの植民地だった街だ。ここにはラッフルズの創業者がアジアで最初に建てたホテルがある。らしい。たしかに見た目なんとなく似ている。都市開発に伴う埋め立てでラッフルズは内陸のホテルになってしまったが 、ここは今でも海沿いにある。いくしかない。

そんなこんなでペナン。出発前々日にシンガポール在住の友達に聞いたところ、いまが雨期とのこと。もう遅い。いくしかない。

2013/09/14 はばなのおもいで

ヒトは何故ハバナに行くのか。

カンクンから異様に席の狭いキューバ航空に乗って約一時間。ぼくのジュースを配るあたりでエンジン音が変化し、あきらかに下降していった。キューバ航空が安全性評価リストの下位を高麗航空と争っていたのを思い出した。ハバナにたどり着けるのか?

十数分後、なんとか生きてハバナに着いた。入国審査と税関検査を通り抜け、両替を済ませ、よく分からないままタクシーに乗ってホテルへ向かった。タクシーの車内から町を眺めると、あちらこちらで古いアメ車が走っている。路上で壊れている車も多い。ケネディ政権以来の経済制裁のせいだろうか。

到着翌日はハバナの二大イベント、ラム会社見学ハーシートレインの乗車で終わった。これらが無事に済むと、その後の二日は予定のない状態になった。しかもホテルのWiFiは一時間8ドル相当のチケット制である。

サッサと出国しようかと真剣に思った。

それでは何をしにハバナへ来たのか分からない。そもそも安い航空券なので、キューバ脱出日は変えられないのだ。片っ端からバーに入り、ラムを飲んで、適当に昼寝。

これこそハバナに来る意味である。

2013/09/14 はーしーとれいんのおもいで

よく旅行に出かけるが、あまり観光には興味ない。航空券を買って、成田空港行きのスカイライナーに乗ったら、それだけで満足するタイプである。美術館とか博物館は苦手だし。

キューバのガイドブックをペラペラめくっていると、チョコレート会社のハーシーが20世紀初期に敷設した鉄道が残っているとのことである。その名もハーシートレイン。キューバ唯一の電車で、1日3往復だそうである。どうせラム会社へのガイドを頼むので、帰りに駅で降ろしてもらうことにした。途中のハーシーという駅まで往復してみる。

が、旅行会社の返事は微妙に曖昧だった。
・電車が壊れると運休。
・停電すると運休。
とのことである。道理である。たぶんJRは口が裂けても言わないと思うが。

正式に依頼すると、旅行会社の人が駅に電話で確認してくれたが、駅員が電話に出ないとのことである。やむを得まい。

ラム会社で買い物をした後、ホテルに荷物を置いて、駅へと向かった。駅には電車が止まっていた。少なくとも写真を撮って帰れる。ガイドの兄ちゃんが駅のベンチに座っているオッサン (その後、車掌さんと判明) に聞いたところ、今日は電車が動いているらしい。すばらしい。ハバナ市街に戻るフェリー乗り場の場所を教えてくれ、そして兄ちゃんは去っていった。

ベルが鳴ると窓口があいたので、切符を買った。さらに手を石鹸水みたいなもので消毒させられる。電車に乗る前に消毒させられる話は聞いたことがないが、そういうものだろう。しばらくすると本当に電車が動き出した。

乗車中、さっきの車掌さんに運転席に連れて行かれた。意思疎通の手段に事欠く中、日本から来たというと、なぜか新幹線の運転士だと思い込まれた。誤解を解くだけのスペイン語力はない。さっきから左のポケットに入っている5ユーロ札を出したら、そのまま運転させてくれそうな雰囲気だった。

2013/09/14 きゅーばのおもいで

旅行先を選ぶ基準は色々だが、結果的に酒関係に落ち着くことが多い。酒関係と言っても、スコットランドのように酒造の場合もあるし、スペインのようにバー関係の場合もある。

キューバと言えばラム。

キューバでラムと言えば、普通はハバナクラブに行く。酒としてのハバナクラブに不満はないが、事前に調べた限り、ハバナクラブは製造過程を見せてくれない。要は単なるミュージアムである。そんなのイヤだ。

だが色々と調べても、ハバナクラブ以外の蒸留所に行ったという話は聞こえてこない。そもそもハバナクラブが唯一の輸出銘柄なので、ハバナクラブ以外の銘柄を知らないせいもあるが。

ハバナに駐在員のいる旅行会社に聞いてみたところ、ハバナクラブ以外で観光客が見られるラム蒸留所は二カ所しかない。らしい。基本的に国営企業なので、非公開の蒸留所に行き着くためにはキューバ政府の許可を得なくてはならない。らしい。思い起こしてみると、かなり前に日本の洋酒メーカーの人にも同じ話を聞いた。

二カ所のうち、一つがハバナ市内にあるとのことで、そこへのガイドを依頼した。

が、旅行会社の返事は微妙に曖昧だった。
・販売がメインなので、見学できたとしても20分くらい。
・原料がないと稼働しない可能性もある。
とのこと。道理である。たぶんサントリーは口が裂けても言わないと思うが。

正式に依頼すると、旅行会社の人が蒸留所に電話で確認してくれたが、見学の確約はできないとのことである。やむを得まい。

ハバナに着いた翌朝、ガイドの兄ちゃんにピックアップしてもらい、ラム会社に行った。ラム会社のオッサン曰く、ハバナでしているのは熟成とボトリングだけとのことである。だから、ここは蒸留所ではない。

ラム会社では最初にボトリング工程を見せられた。どう考えても酒造における最後の工程である。これで終わり?

かと思いきや、その後、ドアの後ろの熟成庫に入れてくれた。しかもカメラを出しても制止されない。左のポケットに贈賄用の5ユーロ札を持ってきたのがアホみたいだった。