日本の夏 / 四国西部 | 道後温泉のデトックス効果

Shimanto River from JR Yodo Line

Submersible Bridge “Chinkabashi”

Pacific Ocean at Awa Station

Sea Bream Rice “Tai-meshi” at Hozumitei

日本の夏は暑くて長い。子供の頃には最高気温が30度を超えるとニュースになっていたが、いまや体温を越えないと報道されなくなってしまった。

そんな暑さにも関わらず、僕の夏休みは避暑が目的ではない。もちろん夏を満喫しにビーチへ行くつもりもない。主眼は夏休みの混雑を避ける事にあり、僕自身の夏休みは9月に取る事にしている。そこで7月と8月の酷暑に耐えてから、9月にトルコへ行く計画を立てていたものの、暑気の影響で7月末には人生に嫌気がさしてきた。

そういう時に付け入れられやすいのが、人間の心理である。その頃、たまたま国内の良い旅行先を聞かれたので、四国西部をお勧めした。松山から宇和島を経由して高知に抜けるルートである。そして同時期に別の人から、暑い中を9月まで旅行なしで耐えられるのか確認された。

そう、僕は我慢が効かないオッサンである。そして一度スイッチが入ると止められない。ちょうど他人に説明したばかりの良い旅行計画があり、そのスイッチを入れられてしまったのであれば、行動に移すべきではないだろうか。

さすがに8月の最ピーク週は外すとして、その翌週で航空券を探したところ、土曜日ANA始発の羽田〜松山と日曜日JAL最終の高知〜羽田という、週末旅行には理想的なスケジュールで特典航空券が奇跡的に予約できた。四国の神様が来いと言っているのだろう。

運を天に任すというが、天気こそ天に任すしかない。特に短期旅行の場合、抗う余地は極めて少ない。今回は四国の神様が来いと言っているので、両日とも快晴との予報である。2日間を丸々楽しめそうだ。

松山の道後温泉には行ったことがあるが、本館は避けていた。混むに決まっているし、入場の行列に並ぶのも嫌だ。ところがシステムが変わったらしく、電話番号の登録で呼び出してくれるらしい。待っている間は、ミカンジュースを飲もうが、タルトを食べようが自由だ。それなら僕にも耐えられるだろう。

松山空港に着き、空港から道後へ直行するバスに乗った。そのまま本館に向かったところ、意外にも空いているとのことだった。ミカンジュースもタルトも後回しにして、まずは温泉に入る事にした。

前日に酒を飲みすぎ、しかも紫色のシャツを着ていたせいで、温泉から上がると、シャツに発汗の跡が異様に目立っていた。思わずタオルを買ったが、気温が高いこともあって、ほとんど意味がない。むしろ、これだけ発汗すればデトックス効果があるだろう。

松山から宇和島の間には、内子、伊予大洲、卯之町など古い街が多く残っている。一通り見に行っているのだが、なかでも印象的だった内子を再訪する事にした。酷暑のせいか、内子はガラガラだった。汗はひかず、デトックスが継続されていた。

そして夕方には宇和島に着いた。宇和島港の日没を見てから、今回の旅の目玉である「ほづみ亭」に行った。有名な鯛めしはもちろん、地元の伝統料理も食べられる店である。なんやかんやで酔っぱらっていた。デトックスは、これにて一時中断である。

翌日はトロッコ列車と観光特急列車に乗って高知駅へ向かった。快晴の四万十川と太平洋が美しい。高知は鯨飲で有名な県である。郷に入っては郷に従うタイプなので、観光特急の昼食タイム開始と同時に飲酒を再開した。高知駅に到着後は少々早めに高知空港へ向かい、空港内の土佐料理店で更に飲酒。高知から東京までの飛行時間は、体感で僅か3分だった。

愛媛県で受けたデトックス効果を、翌日の高知県で完全に失った。美しい街や風景と共に、四国西部には何でもあるのだろう。

旅のしおり:愛媛・高知

記載の時刻は訪問時のダイヤです。

1日目

羽田 0715 (ANA583) > 松山 0840
松山空港 0900 (伊予鉄バス) > 道後温泉 0940

・道後温泉・本館

道後温泉 1144 (市電) > JR松山駅前 1208
松山 1230 (宇和海13) > 内子 1257

・内子

内子 1558 (宇和海19) > 宇和島 1703

宿泊:JRホテルクレメント宇和島

・ほづみ亭

2日目

宇和島 0934 (しまんトロッコ2) > 窪川 1211
窪川 1310 (夜明けものがたり) > 高知 1609
高知駅 1630 (バス) > 高知空港 1700
高知 1855 (JAL498) > 羽田 2025

2日目Tips
・はりまや橋の「葉牡丹」に行きたかったが、実質1時間しかなく挫折。空港内には市内で有名な「土佐料理 司」がある。

人生の修行 / 秋田 | EF64-1000電気機関車見学会

JNR Series EF64-1000

JNR Series EF64-1000

Cab of JNR Series EF64-1000

Good Olden Days

インターネット広告の分析力は的確なので、JR東日本・秋田総合車両センターでの機関車撮影会に参加した後、JR東日本が主催する別のイベント広告が表示された。同じJR工場で、EF64-1000番台という国鉄型機関車の見学会があるとの事である。その見学会では通電状態の機関車2両が展示され、運転席も見せてくれるらしい。JR東日本は国鉄型電気機関車の解体を進めており、実車を見られる最後の機会かもしれない。僕は国鉄型機関車が好きだが、工場見学も好きなのだ。前回の秋田総合車両センター訪問で、雰囲気のある撮影が可能なのも分かっていた。

前回ちょっと悩んだ結果として、鉄道イベントに参加するからといって、必ずしも鉄道に乗って現地へ向かわなければならないわけではないことに気付いた。今回も特典航空券を使えば交通費を軽減できるので、いくぶん気が楽だ。

しかし気が楽とはいえ、僕は年に何回、秋田県に行くのだろう。僕が物好きすぎるのは周囲にバレているが、2026年上半期だけで4回目になってしまう。いくらなんでも、やりすぎだろう。今回こそは家族にも言わないでおこうと心に決めた。

ところで僕は高校時代に歴史小説が好きで、特に池波正太郎と藤沢周平を読んでいた。池波正太郎の作品には江戸の町人地が良く出てきて、東京東部の下町で育った僕には分かりやすかった。一方で山形県庄内あたりが舞台になるらしい藤沢周平の作品は、なんとなく取りつきにくい印象を持っていた。

しかし最近になって酒田や象潟などを訪問した影響で、改めて藤沢周平の作品を読み始めた。舞台のイメージが付いたせいか、それとも僕が年を取ったせいか、いまや極めて面白くなった。出版社勤務の友人いわく、池波正太郎はミステリーだが、藤沢周平は経済小説だそうである。それを信じるとすれば、真の理由は後者なのだろう。

そんな話を、元滝に行った話とあわせて、象潟出身のバーテンダーとしていた。そのバーではウィスキーを4杯ほど飲むのだが、もう20年くらい同じ生活をしているので適度な酔いを楽しめる。

普段は他の客もいるので、公共の場として相応の緊張感を持っているが、その夜はガラガラの夜だった。20年とは緊張感を失うには十分な長さである。象潟で撮った写真を渡しつつ、また秋田に行くと喋ってしまっていた。

酒を飲むと口が軽くなるのは人間の性だが、それは弱さでもある。年は取るだけではダメなのだ。人生には相応の修行が必要なのだろう。

旅の記録:秋田

記載の時刻は訪問時のダイヤです。

羽田 0700 (JAL161) > 秋田 0805
秋田空港 (乗合タクシー) > 秋田総合車両センター

・秋田総合車両センター

土崎 (JR奥羽本線) > 秋田
秋田駅前 (空港バス) > 秋田空港
秋田 1550 (ANA408) > 東京羽田 1705

サボる / 象潟 | 新緑の秋田南部

Mototaki Springs Waterfall

Mototaki Springs Waterfall

Nakajimadai Forest

Nakajimadai Forest

高校ではサボってばかりだった。なぜサボるのかと問われれば、そもそも行きたくなかったからであり、しかも当時は熱烈な鉄道マニアだったので、平日にしか出来ない写真撮影があったからでもある。根本的な原因は、自由に休めなかった事に起因していた。僕自身の問題ではない。と思う。

大人になってからは、サボる事は劇的に減った。たしかに会社へ行きたいわけではないが、給料をもらっている以上は労働の義務がある。それでも有給休暇の制度があるので休みを選択できるし、そもそもサボってばかりだとクビになってしまう。それではサボる事の本質から考えて、本末転倒すぎる結果である。

昨年、山形県酒田市に行った時、現地の友人に秋田県象潟にある元滝へ連れていってもらった。山形県庄内から秋田南部に広がる日本海沿いの名所と同じく、元滝も素晴らしかった。

その旅では帰りに乗車する特急列車から見る日本海の日没撮影をメインに考えていたので、電車の窓枠に乗るコンパクトカメラしか持っていかなかった。撮影したRAW画像ファイルを調整したが、元滝では明暗の差が激しく、コンパクトカメラでは岩肌の表現などがイマイチだった。元滝にはセンサーの大きいデジカメを持って行くべきだったのだろう。

写真的には不満が残ってしまった。仕事以外での未消化は早々に解消したいタイプである。象潟が故郷の人に聞いてみたところ、五月晴れの時期が新緑シーズンで、水量も多くて良いだろうとのことだった。

五月晴れは文字通り5月なのだが、今年のゴールデンウィークは有給休暇を足して9日間の休みを捻出し、ウズベキスタンに行ってしまった。有給休暇の制度があるとは言え、僕は日本のサラリーマンなので、建前通り有給で自由に休めるわけではない現実もある。それを分かっていながらも、ウズベキスタンから象潟の天候をチェックしていた。諦めが悪いというか、我ながら意味不明である。

ウズベキスタンから確認していた限り、今年は沖縄の梅雨入りが早く、本州も5月から高温そうだった。そうなると新緑も五月晴れも短そうな塩梅である。

昨年も同じような判断をした気がするので、せっかちなのだろう。もしくは気象に対する見識が不足している可能性もある。なにせ学校をサボりまくっていたのだ。いずれにしても早めの行動をとる事にした。

幸か不幸かウズベキスタンからの帰国翌週に晴れがあった。せっかちなので、その機会を逃してはならないと思い込んでしまった。天気予報と特典航空券の空席を見比べていたところ、水曜か金曜が良さそうだった。

会社では管理職としての全知全能を、休みを取りやすくするプロセス構築に振りむけている。さてはさりとて一週間休んだ直後に三連休は無理筋だろう。そこで象潟へ行くのは水曜日に決めた。

それはそれでウズベキスタンから帰国して3日後でしかない。なにかしらの体面を保つ必要があると思ったので、50歳手前の社会人にも関わらず、今回はサボる事にした。やはりサボりの根本原因は、平日に自由に休めない事に起因している。僕自身の問題ではない。と思う。

ウズベキスタンからの帰り、仁川空港のラウンジで休み中の仕事を馬車馬のように片付けた。残った仕事は月曜日に何食わぬ顔で済ませ、その夜に特典航空券とレンタカーを予約した。そして火曜日の午後に、翌日は「家庭の急用」で休む旨を告知した。

高校生だった頃から30年経っても、同じ事をしている。それでも前日に通知するだけ大人になった。と思う。

旅のしおり:象潟

記載の時刻は訪問時のダイヤです。今回は珍しくレンタカーを使用しました。

東京羽田 0705 (JAL161) > 秋田 0810

・金浦漁港
・元滝伏流水
・奈曽の白滝
・中島台レクリエーションの森 (獅子ヶ鼻湿原)

秋田 1655 (JAL166) > 東京羽田 1810