まかおのおもいで

Macau City Hall

Macau City Hall

The Ruins of St. Paul’s

St. Dominic’s Church

マカオが好きである。オッサンがこういうことを書くと、白い目で見られがちだが、好きなものはしょうがない。とはいえ白い目で見られるような、オッサンが好きそうなギラギラなマカオには興味はない。そしてオッサンを白い目で見そうな、女性が好きそうなキラキラなマカオにも興味はない。

香港到着の翌日、フェリーでマカオへ向かった。マカオ訪問の主な目的は、旧市街の紅街市場近くにある「龍華茶樓」というローカル飲茶屋さんである。もう香港には存在しないと思われるような、この店のレトロな空間が好きだ。

訪問のメインが飲茶店となるので、混雑する前に着けるよう、朝一番のフェリーを予約した。ここまでするなら深圳空港からマカオへ直行して1泊、その後で香港に行った方が賢い選択だっただろう。それに気付く前には、香港のホテルを間違えて予約したと気付いており、つくづく僕は賢くないと思わざるを得ない。

賢くない僕でも、わざわざ早朝にマカオまで行って、飲茶だけで帰るのは勿体ないとは判断できる。龍華茶樓での朝食後にマカオ旧市街の観光をする事にした。

マカオ旧市街の観光地といえば、壁だけが残った教会、ポルトガル風な街並みが有名だが、とにかく混雑しすぎていた。教会の壁を見てから、スヌーピーとコラボしているエッグタルト店に向かった。それだけで疲労困憊である。僕が行くタイミングが悪いのか、マカオは常に混んでいるイメージしかない。

混雑を別にすると、旅行者にとってマカオで最大の問題は通貨だろう。マカオにはパタカという現地通貨がある。香港ではマカオ・パタカを使えないが、マカオでは香港ドルを現地通貨のパタカと同じように使える。厳密なレートは若干のパタカ安だが、バスのような公共機関ですら等価交換で問題ない。

ゆえに香港からの短期滞在なら、特に悩むことなく行けば良い筈だが、香港ではオクトパスカードに頼ってキャッシュレスな旅をしている。しかもマカオではタクシーアプリが使えず、タクシー代の支払いに現金が必要だった。あまり現金を持たずにマカオに行ってしまい、現金が枯渇寸前になってしまった。

マカオ旧市街が混雑しており、ほぼ現金もなかったので、2か所の観光だけで香港へ戻ることにした。最後に50パタカ札が残ったので、市役所のギフトショップで少々買い物して、キッチリと帰りのバス代相当のコインを残した。あとはバスでフェリーターミナルへ行けば良い。

こういう時にやりがちなのは、反対のバスに乗ってしまう事だ。あまり賢くない僕が犯しがちなミスである。

市役所庁舎を出た時点で左右を逆に認識しており、そのまま逆方向のバスに乗ってしまった。しかもバス車内では後ろ向きに座っていたので、更に気付くのが遅くなった。ゲンナリしてルートを探し始めたところ、以前に泊まったホテル近くを通ったので、とりあえず下車した。ここならATMがどこにあるか記憶している。

そこにあったのは賢いATMで、香港ドルとマカオ・パタカ両方の引き出しに対応していた。パタカの最低引き出し額は100パタカだった。バス代は妻と2人で10~15パタカなので、マカオから離境しようとしている僕に100パタカは多すぎる。

ちょっと考えたところ、現金が底をついたので、多めに香港ドルを降ろせば良いと気付いた。このATMなみに僕も賢いのかもしれない。500香港ドルを降ろして、悠然と立ち去った。市庁舎のギフトショップで諦めた土産物を現金で買って、小銭を作ってから正しいバスに乗るのだ。

「鶏は三歩歩くと忘れる」と言うが、僕は三歩歩いて何かに気付いた。

マカオでは香港ドルを現地通貨のパタカと同等レート使えると言っても、それは支払時だけである。通貨的にはマカオ・パタカの方が安いので、お釣りは基本的にパタカで戻ってくる。香港ドルで返してと言ったとしても、500ドル札なのでパタカが混じる可能性は極めて高い。賢くない僕でも、高リスクの取引だと分かる。やむを得ず再びATMに戻って、今度は100パタカ降ろした。

これが僕の賢さの指標だろう: 鶏よりは賢いが、複数通貨対応のATM以下である。一般的な単一通貨対応のATM程度の賢さがあると期待するしかない。

ほんこんのおもいで

Dawn in Hong Kong

The Peninsula Hotel on Holidays

Hong Kong Tram at Chun Yeung Street

Hong Kong Tram at Chun Yeung Street

昨年の正月休みは、お買い得な台湾往復航空券の発掘に成功したが、今年の正月は良い案に辿りつかないまま日が過ぎていった。年末のピークを避けると12月31日か1月1日の出発が良いように思えたが、会社のスケジュール上、帰国は1月4日とせざるを得ない。日程的にはタイトだが、家でゴロゴロしているには少々長すぎる。何かすべきだとは分かっていたが、何をすべきか分からなかった。つまり自分は何も分かっていないと分かっていたのだ。これはソクラテス言うところの、無知の知ではないだろうか。

昨年9月下旬にウズベキスタン旅行から帰って一息ついていると、ANAが特典航空券のマイル半額キャンペーンをやっていた。年末年始はピーク時なのでキャンペーン除外期間だろうと思っていたのだが、その期間も中国本土路線だけはキャンペーン対象だった。しかし昨年は8月に四川省へ行っており、更に11月には桂林へ行く予定をしていた。当面は中国本土以外の目的地を探したい気分だった。

そういう時には香港がある。

もっとも年末年始の香港線はキャンペーンの除外期間だった。しかし桂林へのゲートウェイでもある広東省広州は当然ながら中国本土であり、広州から香港まで高速鉄道を使えば1時間ちょっとで行ける。特典航空券はキャンセル待ちだったが、キャンペーン最終日、広州路線に賭けてみることにした。

その後、改めて調べたところ、ANAは香港の隣にある深圳にも飛んでいた。数年前に深圳へ出張に行った時は、香港空港から高速艇に乗った記憶があるので、想定外の空港だった。しかもボーイング787で運航されている深圳便の方が、ボーイング767運航の広州便よりも空席が多く、香港への抜け道としてはベターだった可能性が高い。しかし気付いた時には、既にキャンペーン期間が終わった1時間後だった。思い付きなので、所詮その程度なのだろう。

ジタバタしても意味がないので、あとは果報を待ってみよう。

果報は寝て待てとは言うものの、そんな事が僕にできるわけはない。翌日、ネットで調べてみると、特典航空券の空席待ち人数を把握する方法があるようだった。それによると往路は2名で、単純に妻と僕だけの模様。問題は帰路で、なんと25名以上もいた。

そこまで物事が上手くいくとも思えなかったので、安いうちに深圳への航空券を購入する事にした。香港直行便の半額くらいである。1月の香港は乾季でもあるし、お買い得な航空券を見つけたと言って良いだろう。

いずれにしても、果報を寝て待つのとは、真逆の結果である。ある意味で想定通りなのだが。

前回の香港滞在はタフな深圳出張の帰りだったので、航空券は無料とみなして、インターコンチネンタルに泊まった。立地が便利で、美しい香港のスカイラインが楽しめるホテルだった。今回、なにも考えずに予約サイトを見たところ、香港経済の停滞が円安の影響を打ち消しているような価格設定だった。ここに泊まってしまおう。

さすがに12月31日のホテルは高いので、元旦のフライトを予約して正解だったのだろう。羽田空港はターミナル2だったが、国内線出発ホールに赤福の臨時売店が出ていたので購入。赤福好きとしては、新年早々、幸先が良い。

当日は搭乗予定の深圳便を含む多くのフライトが搭乗ゲート混雑という理由で遅れたものの、あまりシリアスなインパクトなく、深圳空港に着いた。この空港で中国に入国した後、陸路で香港に入境すればいい。香港まではパッケージツアーのようなルートになっており、指定されたバスを尖沙咀で降りて、Uberでインターコンチネンタルへ向かった。

車がホテルのエントランスに着いた時点で違和感があった。チェックインするフロントも、何か違って感じた。そして部屋に入ると明らかに違っていた。これは新年早々、しくじりをした気がする。先ほど羽田空港で幸先が良いと思ったのは、幻だったのだろうか。

記憶を掘り起こすと、以前に泊まったのはIntercontinental Hong Kongだったが、このホテルはIntercontinental Grand Stanford Hong Kongである。そういえば香港の尖沙咀側にインターコンチネンタルが2軒あったと思い出したところで、もう手遅れである。

とりあえず海辺の遊歩道へ散歩に出かけた。しばらく歩いて、やっと最初に考えていたホテルを発見した。そのホテルはRegent Hong Kongにリブランドされており、あとで調べたところ、値段もリブランドされていた。

これを知っていたら、香港に行かないという選択に至った可能性もある。無知であることは力である。ソクラテスとは違う意味で捉えている可能性はあるが、僕の今年のテーマは無知の知なのだろう。

じょうえつのおもいで

一昨年の夏に湯檜曽へ行った後、昨年は谷川岳の一ノ倉沢へ紅葉を見に行こうと思っていた。しかし、これが意外と悩ましかった。

谷川岳ロープウェイで登った先にある天神峠の紅葉状況は、ロープウェイ会社が設置したライブカメラがあるので分かりやすい。しかし、標高的にロープウェイ起点と近い一ノ倉沢の状況は、イマイチ分かりにくい。しかも紅葉時期の谷川岳は異様に混むらしいので、多少なりとも空いていそうな平日に行きたい。ただし、こんな僕でも会社員なので、休むには仕事の予定を考慮せざるを得ない。

一ノ倉沢の入口である一ノ倉沢出合から見る谷川岳は、日中は逆光になってしまう。一方で曇って雲が垂れ込めると、谷川岳の岩壁が隠れてしまう。理想は高層に雲がある日なのだろうが、人生そこまで都合よくはない。毎日のように天気予報を見ているうち、紅葉シーズンは終わっていた。

旅行となると諦めが悪い僕が代替として考えたのが、清津峡トンネルの冬景色である。豪雪地帯なので、冬本番になるとトンネルの開口部が雪に覆われて、見通しが悪くなってしまう。理想は1月上旬までなのだろうか。ここも混雑を考えると平日に行きたい場所だ。

12月中旬になって、清津峡付近の天気予報を眺め始めた。なかなか日本海側が晴れる日は少ないが、たまたま金曜日に高気圧が本州上空を通り過ぎる日があった。前日は昼まで降雪、午後は曇りで気温が上がらないらしい。しかも気象庁の早期天候情報によると、年末には気温が平年よりも2度くらい上昇するようで、年内としては最後のチャンスになるだろう。

その日の会社スケジュールは空白であり、休むには絶妙なタイミングだった。問題は冬季に運行される、越後湯沢駅からの直行バスの運転日ではないことだが、お金で解決することにした。スキーシーズン直前ならば、人出が少なそうなのは悪くない。

そこまでして清津峡へ行ったところで、積雪が少なくて写真的に満足できない可能性もある。せっかくの晴れなので山の写真を撮りたいと思って調べたところ、谷川岳ロープウェイの観光営業の最終日だった。この日を最後に、スキー場としての営業になるらしい。ちょうど良い時間帯に越後湯沢から水上に抜ける上越線の電車があり、ローカル線でビールを片手に上越国境を越えるのも乙なものだろう。前日の帰宅途中に諸々の手配を済ませた。

当日は早朝の新幹線で越後湯沢へ向かった。晴れ予報の都内は曇りで心配だったが、大宮を過ぎると快晴である。越後湯沢で新幹線を降りて、タクシーで清津峡へ。

タクシー代を払ってまで清津峡へ行ったものの、山の斜面に薄い積雪はあったが、岩場や樹木には全く雪がなかった。つまり雪景色には早過ぎたのだ。これでは写真的に満足できないというよりも、写真的には想定外の事態である。思い起こせば、清津峡トンネルへ春に行った時には早過ぎて、残雪がトンネルからの景色を少々妨げていた。せっかちな割に諦めが悪い僕は、タイミングが読めないのだろう。

それでも谷川岳ロープウェイというバックアップがあったので、この日の諦めはついた。雪に覆われた八海山の遠景を眺めてから、へぎ蕎麦屋さんへ向かった。日本酒の八海山を片手に蕎麦タイム。八海山は見ると美しいが、飲むと美味しい。

越後湯沢駅で越後ビールを買って上越線に乗った。所々雪はあるが、風情を感じるような雪景色ではない。長いトンネルを抜けても雪国ではないのであれば、長いトンネルを戻っても雪国ではない。川端康成ですら、文学性を見出せないだろう。

ローカル線を水上駅で降りて、谷川岳ロープウェイへ向かった。ロープウェイの力なのか、自然の摂理なのか、標高に勝るものはない。快晴の天神峠からは、雪の谷川岳を見ることができた。結局、僕は谷川岳でしか満足できないオッサンなのかもしれない。

人生は都合よく出来てはいない。それに加え、僕はタイミングが読めない上に、諦めが悪い。それならば僕の人生にはバックアップの計画が極めて重要である。

旅のしおり:上越

記載の時刻等は訪問時のダイヤです。

上野 0742 (たにがわ471) > 越後湯沢 0858

清津峡トンネル
小嶋屋

越後湯沢1216 (上越線) > 水上 1256
水上 1320 (バス) > 谷川岳ロープウェイ 1340

谷川岳ヨッホ

谷川岳ロープウェイ 1612 (バス) > 上毛高原 1702
上毛高原 1613 (たにがわ412) > 上野 1715

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