あまるふぃのおもいで

同じ会社に長くいると便利なのは、自分自身の気難しさを改めて説明する必要がないことである。それだけで十分に満足すべきであるが、リフレッシュ休暇というものが特典としてついてきた。

考えるまでもなく、僕の場合は毎年十分にリフレッシュしているのだが、それでも節目なのでリフレッシュしろとの命令である。

リフレッシュしなくてはならない。

そういえばゴールデンウィークは仕事なので、代休という便利な制度もあるのであった。ダブルでお買い得である。

基本的にはケチなので、お買い得は大好きだ。気付くと休みは11日間に及んだ。メインはオリエント急行であるが、11日も必要なわけではない。おかんとは途中で合流すればいいのだ。

そこで数日ほど北アフリカに行ってみようと思っていたが、政情不安で挫折。

せっかく4月の休みなので、夏は混んでいるところに行こうと思い、地中海あたりの地図を眺め、4月がお買い得な場所を探してみる。

エーゲ海の島々が燦然と輝いていた。サントリーニ、ミコノス、ロドス。などなど。

しかし4月は季節的に早すぎた。シーズン前なので、どうにもフライトが少ない。すでに飛行機の一部はチケットを取っており、オリエント急行の日程も決まっていて、スケジュール的に無理がでる。

結局、夏には渋滞で辿り着けなそうなアマルフィを再訪することにした。

4月中旬の季節柄か、午前中は雲が多く、午後から晴れる。晴れれば、思いのほか暖かい。海も空も青い。食事もうまい。ワインもうまい。レモンチェロもうまい。

一生リフレッシュ休暇というわけにはいかないものかと思った。

Ristorante Da Ciccio Cielo Mare Terra

おりえんときゅうこうのおもいで

イヤだイヤだと言いながらも、10年ほど同じ会社に勤務しており、リフレッシュ休暇をもらえることになった。

感謝の気持ちでリフレッシュしようと思い、おかんを旅行に誘ったところ、オリエント急行に乗りたいとのことだった。

急行といっても、新宿から箱根に行くのに、ロマンスカー代をケチって乗る急行ではない。小田急の急行みたいに、途中の駅から各駅停車になってしまうことはないが、一方で予約も特別料金も必要である。しかもドレスコードがある。極めてフォーマルな列車と言える。

フォーマルといえば、うちにはタキシードを着たスヌーピーがいる。彼らを連れて乗ろうではないか。

豪華列車といっても、おおよそ100年前の基準である。個室は狭くて二段ベッドだし、シャワーはないし、トイレは共用である。そもそもクーラーすらない。それでも食堂車が3両、バーが1両ついており、窓を開ければ涼しい風は入る。

ベネチアから列車に乗り、パリを通ってロンドンへ。約1日半の行程。ドーバー海峡以外は乗り換えもなく、途中に観光が入るわけでもなく、ひたすら移動している。極めて正しい列車の旅。

思い出したように写真を撮るほかは、ひたすら食べて飲む。ランチ、昼酒、アフタヌーンティー、ディナー、寝酒、朝食、ランチ、アフタヌーンティー。豪華料理ながら、ややブロイラーの気分になったところで、ロンドンに着いた。

ホテルにたどり着くと、すでに夕食の時間である。ホテルの隣にはバーガーキングがあり、迷うことなく店に入った。ケチャップとマヨネーズ、柔らかいだけのパン、ラードっぽい油で焼いた肉。非常に心が落ち着く

今回の旅で、フォーマルで豪華なダンディ系ダメオッサンを目指そうかと思ったが、なかなか道は険しい。

ぺなんのおもいで

前回ペナン島に行った時はホテルに滞在するのがテーマだったので、あまり観光らしい観光はせず。モスクを見に行ったり、ピューターの加工体験教室に行った他は、おおむねホテルのバーで飲んでいた。

ゆえにペナン島についてはイマイチわからず。

今回は特に予定は立てず、フラフラとペナン最大の都市であるジョージタウンを歩いた。観光地になっている昔の豪邸を訪ねてみる。あとはホテルのベランダでビールを飲みながら昼寝。

到着初日にピューターのタンブラーを買いに行き、さらにビールも買った。

マレーシアには大してビールの選択肢はなくて、タイガービール (シンガポール)、アンカー (サンフランシスコ)、ハイネケン (オランダ)、ギネス (アイルランド)、それとスーパードライ、くらいだったかな。

どちらかというとエールの濃厚な味わいが好きで、喉越しを追求するような軽いビールは苦手だったのだけど、今回は消去法でタイガービールばかり飲んでいた。

そして分かった。常夏のような島で日陰に寝そべって海を眺めながらであれば、軽いビールも悪くない。むしろ、キンキンに冷えた軽いビールを見境なくグビグビ飲んでいるのがいい。

そんなこんなで午後の大半は酔っ払っており、たしかに豪邸を2軒ほど見に行ったものの、いまだペナン島についてはイマイチわからず。